2020年7月21日火曜日

「和美との生活」からの「食」Vol.001

手仕事専科をスタートする際に中心となるコンセプトが「和美との生活」でした。
10年が経過します。
websiteをスタートする当時の自分には無理なく考えられるものでした。
そして、伝統工芸品を取り扱えば扱うほどにその商品の歴史に魅せられました。
伝統工芸品の美しさは、一朝一夕に生まれたものではありません。先達の弛まぬ精進と探求心が生み出してきたものと思います。
「真善美」は人の持つ基本的な欲求です。
真実を求める「真」、人に慈しみを施す仏の姿の「善」、そして、美しさを求める「美」になります。
その「真善美」のレールの上を人々が、長年歩んできたことが見て取れます。
それぞれのレールがあり、ひとの歩む道は、皆同じではありません。そして、それらに取組んだ先達を辿るとその道が明らかになりました。
人それぞれの奥深い道です。
和美との生活」は「美」についてですが、自分はその欲求が強いようです。
「美」は造形だけではなく、生き方の美でもあります。
三五八漬け 那須味噌
那須味噌
とべや食品
鰊の山椒漬 会津ニ丸屋武蔵亭
伝統食の酢 太田酢店
現在の私の関心事のひとつは、「食」です。
ある時に生体恒常性、自己免疫力について学びました。人類がこの世に生を受けて綿々と続く自然治癒力です。
その折にアメリカのマクガバンリポート(1977年)のことを知りました。江戸時代の食を世界一の健康に良い食と称えています。
同時に医食同源(いしょくどうげん)の言葉にも行き着きました。
ウイキペディアから、次のように定義されています。
-------------------
医食同源とは、日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方。
「医食同源」という言葉自体は中国の薬食同源思想から着想を得て、近年、日本で造語された。この言葉「医食同源」は発想の元になった中国へ逆輸入されている。
初出は1972年、NHKの料理番組『きょうの料理』の特集「40歳からの食事」において、臨床医・新居裕久が発表したもの(NHK「きょうの料理」同年9月号)。これは健康長寿と食事についてのもので、中国に古くからある薬食同源思想を紹介するとき、薬では化学薬品と誤解されるので、薬を医に代え医食同源を造語し、拡大解釈したものであると新居裕久は述懐している。
--------------------
私達の体は日々摂る「食」からできています。
ジャンクフーズなる言葉を聞いたことがあると思いますが、コンビニエンスやスーパーには、体に良くない菓子類が並んでいます。
ジャンクフーズは、「ガラクタの食」の意です。
それに引き換え江戸時代の食は、全てが自然のものでした。
海の幸山の幸に加え保存食としての発酵食品がありました。
発酵食品は人の必要とするアミノ酸やミネラル栄養素の宝庫です。冷蔵庫があるわけではなく、旬の食材と発酵食品が食材です。

私と食とのかかわりは、学生時代からです。
学生時代は下宿をしていましたが、自炊の下宿でした。共同の調理場があり一台ごとのガスコンロが並んであり、釜でご飯を炊きフライパンのスパゲティや野菜炒め、そしてカレー等を定番にしていました。
学生前の田舎では調理などしたことはなくて、精々インスタントラーメンを作った程度です。
ある時、私のスパゲティを下宿の先輩が不味い味だと言っていました。それまで美味しいスパゲッティを食べたことがないしトマトケチャップすら知らないのですから、当然です。
それでも少しずつ調理を覚えてレパートリーを増やしてゆきました。
その後、ホテルに勤めレストランのウェーターの時に和洋中の料理メニューを覚え調理場の作るものを見てきました。
お客様にメニューを説明する際に必要だからです。また、営業部になった頃にもお客様からメニュー提出依頼があり、同時に社員クラブの宴会では、ホテル料理を堪能しました。
更にホテルの企画担当時や幹部になるに連れ、社長同席の高価な料理も味わいました。
盛り付けも器も味もサービスのタイミングと仕方も覚えました。
一端の料理評論家になっていました。
その後に津軽やあぶくま洞に単身赴任し、朝昼晩と自炊をしていました。当時は器にも関心があり、いろいろなタイプの美しい食器も購入し季節の食材と料理を経験しました。
これが私の料理経歴です。
今は、妻の病気から5年になるでしょうか、自分が台所を任されています。
器選びと料理作りを楽しんでいます。
手仕事専科には、二唐刃物鍛造所があります。
二唐家は津軽藩より作刀を命じられて以来350年の伝統をけ継ぐ刀鍛冶の名門です。しかし、現代は本格的な和包丁を必要とはしない時代となりました。日本経済の高度成長期に発展した和包丁ですが、今は求められません。
飲食業界の流通が進み、セントラルキッチンとなり人の手で作るのではなく労働者が操作する機械工場生産の食品で溢れています。
しかし、それらの食材は促成栽培の栄養素の少ない土壌で化成肥料で育てられた野菜であり、ふんだんに食品添加物、保存料が含まれています。
太陽光線を浴びて採れた旬の食材には決して無いものです。
同時に和食の調理人、職人は必要ないのです。
悲しいことですが、伝統的工芸品は生活の変化に付いてゆけません。
私達は利便性と引き換えに「健康」を失いました。

手仕事専科では、健康のために「自分食」を勧めています。
旬の山と海の食材に畑で野菜と穀物を育て、溢れる食材は発酵食品として保存し食することを勧めます。
その際に美味しい食を調理したいと思います。
食材を生かし、美味なる調理のできる切れ味の良い刃物で、伝統的な日本料理を楽しみたいと思います。
「男子厨房に入るべし」の提案です。
男子に限らず女子も同様です。
「自分食」の為に「男女ともに厨房に入るべし」
これが私の主張です。
和美との生活・和美空間」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。株式会社とぴい企画 080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp手仕事専科のブログ ■下野・会津・津軽の歴史街道 ■下野・会津・津軽の四季風景  ■伝統的食品のブログ   ■手仕事の逸品

0 件のコメント:

コメントを投稿